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2021年度卒業設計優秀作品賞

◆ 大学の部 (応募作品数:12点)

・金賞 小野 誠治殿:北海道大学工学部環境社会工学科建築都市コース

   作品名 ― 連情の景ー連歌による合律的設計手法の探求ー

・銅賞 加藤 雅大殿:室蘭工業大学工学部建築社会基盤系学科

   作品名 ― 隆起した余白

◆ 短大・高専・専門学校の部 (応募作品数:6点)

・金賞 町田 哲平殿:北海道芸術デザイン専門学校建築デザイン学科

   作品名 ― Diatonic Line

・銀賞 下山 雄大殿:釧路工業高等専門学校創造工学科

   作品名 ― Kushiro C Terminal

高架化とLRTでコンパクトシティに

・銅賞 横山 斐巳殿:北海道芸術デザイン専門学校建築デザイン学科

   作品名 ― 御茶間

◆ 工業高校の部 (応募作品数:4点)

・金賞 長谷川嵩人殿:北海道旭川工業高等学校建築科

   作品名 ― 書肆

・銀賞 伊藤 大智殿:北海道旭川工業高等学校建築科

   作品名 ― 創造と休息

・銅賞 小倉 愛加殿:北海道函館工業高等学校建築科

   作品名 ― あさひの湯

・銅賞 中島 一葉殿:北海道函館工業高等学校建築科

   作品名 ― 市立函館晴陽保育園

【支部会員限定】2022年度 北海道支部支部総会(オンライン開催 ※要申込 )

北海道支部正会員各位

北海道支部の2022年度通常総会は新型コロナウイルス感染防止のためオンラインで開催いたします。支部総会は支部地域在住1/30以上の出席を必要といたしますので、欠席の際はお手数でも建築雑誌3月号にとじ込みされております「委任状」に必要事項をご記入の上、総会開催前日までに支部事務局までご送付下さいますようご協力お願い申し上げます。

開催日:2022年?月?日(金)15:00~(14:45より入室可能)
会 場:オンライン開催(Zoomミーティング)
参加資格:支部会員限定
申込方法:参加希望の方は?月?日(金)までに以下のURLより事前申し込
みをお願いいたします。
https://forms.gle/gHkCmZPvaGxJSPMM9
(メールアドレス・氏名・会員番号・所属(勤務先)を明記の上、お申し込み下さい。)
「総会次第」:リンク先からダウンロードください.
「オンライン開催の方法について」:リンク先からダウンロードしてください。
「総会資料」:総会当日の午前中までにこちらにUPいたしますので、各々でダウンロードをお願いします。

総会議案書

監査報告

2018年度優秀学生・生徒

清水 美帆君・久保 夏樹君:北海道大学工学部環境社会工学科建築都市コース
岩木 智穂君・加藤 弦生君:北海学園大学工学部建築学科
澤田 彩佳君・荒井 優治君:北海道科学大学空間創造学部建築学科
佐藤 来美君・乙茂内郁美君:室蘭工業大学工学部建築社会基盤系学科
金塚  信君・春木 美野君:東海大学国際文化学部デザイン文化学科
舘岡 高嶺君・鎌田 美咲君:星槎道都大学美術学部建築学科
芦口紗耶加君・山本 佳苗君:札幌市立大学デザイン学部デザイン学科空間デザインコース
沼田 知輝君・松原 浩介君:釧路工業高等専門学校建築学科
千葉 大輔君:北海道職業能力開発大学校建築技術システム技術科
四ツ屋卓身君:北海道職業能力開発大学校建築科
川端 賢人君:北海道札幌工業高等学校建築科
池田 光汰君:北海道札幌工業高等学校定時制建築科
白岩 考汰君:北海道小樽工業高等学校建設科建築デザインコース
村部 浩司君:北海道小樽工業高等学校定時制建築科
鈴木 孝徳君:北海道函館工業高等学校建築科
角谷 太一君:北海道函館工業高等学校定時制建築科
大懸 悠人君:北海道旭川工業高等学校建築科
大西 優希君:北海道旭川工業高等学校定時制建築科
吉田 海流君:北海道苫小牧工業高等学校建築科
及川このみ君:北海道苫小牧工業高等学校定時制建築科
馬場 智寛君:北海道帯広工業高等学校建築科
北口  翔君:北海道釧路工業高等学校建築科
佐々木灯里君:北海道名寄産業高等学校建築システム科
澤田  蓮君:北海道室蘭工業高等学校建築科
本間  楓君:北海道留萌千望高等学校建築科
佐々木凌汰君:北海道北見工業高等学校建設科

2017年度優秀学生・生徒

橋富 一博君・押川  快君:北海道大学工学部環境社会工学科建築都市コース
田中  圭君・山本 祥暉君:北海学園大学工学部建築学科
四戸 さき君・江刺家庸史君:北海道科学大学空間創造学部建築学科
田口 美奈君・足立 啓輔君:室蘭工業大学工学部建築社会基盤系学科
伊藤 明子君・黒川 生成君:東海大学国際文化学部デザイン文化学科
新谷 一朗君・勝野 貴洋君:道都大学美術学部建築学科
坂元  文君・上中 俊輔君:札幌市立大学デザイン学部デザイン学科空間デザインコース
久保 元人君・綱川 智也君:釧路工業高等専門学校建築学科
秋山 愛斗君:北海道職業能力開発大学校建築技術システム技術科
高橋 諒子君:北海道職業能力開発大学校建築科
佐々木 凌君:北海道札幌工業高等学校建築科
加藤  涼君:北海道札幌工業高等学校定時制建築科
佐藤 健太君:北海道小樽工業高等学校建設科建築デザインコース
大山 三枝君:北海道小樽工業高等学校定時制建築科
三浦 和寧君:北海道函館工業高等学校建築科
小木 昭仁君:北海道函館工業高等学校定時制建築科
米谷 弘斗君:北海道旭川工業高等学校建築科
鈴木  健君:北海道旭川工業高等学校定時制建築科
皆川 七星君:北海道苫小牧工業高等学校建築科
千葉 恭弥君:北海道苫小牧工業高等学校定時制建築科
茂木 良太君:北海道帯広工業高等学校建築科
鍛治 優華君:北海道釧路工業高等学校建築科
鈴木 志穂君:北海道名寄産業高等学校建築システム科
斉藤 俊也君:北海道室蘭工業高等学校建築科
進藤 亨紀君:北海道留萌千望高等学校建築科
森田 悠乃君:北海道北見工業高等学校建設科

2016優秀学生・生徒

関 あきり君・大内京太郎君:北海道大学工学部環境社会工学科建築都市コース
木戸 裕章君・遠藤 峻輔君:北海学園大学工学部建築学科
鷲野 夏実君・竹腰 悠加君:北海道科学大学空間創造学部建築学科
榎本 奈奈君・岸本 豪太君:室蘭工業大学工学部建築社会基盤系学科
廣川依寿美君・五十嵐礼奈君:東海大学国際文化学部デザイン文化学科
対馬 充昭君・菅野 雅樹君:道都大学美術学部建築学科
和平 実来君・佐藤みずき君:札幌市立大学デザイン学部デザイン学科空間デザインコース
江口 悠貴君・菊地 留花君:釧路工業高等専門学校建築学科
佐藤 圭吾君:北海道職業能力開発大学校建築技術システム技術科
西澤 天汰君:北海道職業能力開発大学校建築科
岡崎航一郎君:北海道札幌工業高等学校建築科
大島 里昌君:北海道札幌工業高等学校定時制建築科
齊藤那奈美君:北海道小樽工業高等学校建設科建築デザインコース
太田 建一君:北海道小樽工業高等学校定時制建築科
斉藤 夏海君:北海道函館工業高等学校建築科
齊藤 若那君:北海道函館工業高等学校定時制建築科
武田 泰我君:北海道旭川工業高等学校建築科
沓澤 輝夢君:北海道旭川工業高等学校定時制建築科
白鳥 聖也君:北海道苫小牧工業高等学校建築科
浪岡  茜君:北海道苫小牧工業高等学校定時制建築科
八木沼聖二君:北海道帯広工業高等学校建築科
工藤 宙斗君:北海道釧路工業高等学校建築科
目黒 海都君:北海道名寄産業高等学校建築システム科
外崎 海渡君:北海道室蘭工業高等学校建築科
安田 一貴君:北海道留萌千望高等学校建築科
浅田 大輝君:北海道北見工業高等学校建設科

2018年度卒業設計優秀作品賞

◆ 大学の部 (応募作品数:12点)
・金賞  冨谷 至君:北海道科学大学工学部建築学科
   作品名 ― 隣接する兆
・金賞  白戸 採希君:北海道科学大学工学部建築学科
   作品名 ― 刻の縫目
・銅賞  伊阪 遼君:北海道大学工学部環境社会工学科建築都市コース
   作品名 ― 宿存する隙

◆ 短大・高専・専門学校の部 (応募作品数:4点)
・金賞  中村 悠佑君:北海道芸術デザイン専門学校建築デザイン学科
   作品名 ―漁業都市の船出~道南江差における市場再生システム~ 
・銀賞  増田悠一郎君:釧路工業高等専門学校建築学科
   作品名 ― sumika -学び舎ー
・銅賞  代表者 四ッ屋卓身君:北海道職業能力開発大学校建築科
   作品名 ― Diversity..Eniwa -多様性をつむぐー

◆ 工業高校の部 (応募作品数:8点)
・金賞  奥村 玲菜君:北海道旭川工業高等学校建築科
   作品名 ― おやすみ館&アメリカフェ~集う・憩う・めぐる~
・銀賞  佐々木灯里君:北海道名寄産業高等学校建築システム科
谷本 璃空君:北海道名寄産業高等学校建築システム科
   作品名 ― 寄跡~古き良き名寄の奇跡~
・銅賞  横内 美紀君:北海道函館工業高等学校建築科
   作品名 ― 道の駅 湯の川

審査講評
大学の部
金賞・冨谷  至君
  これは建築そのものを呼び戻そうとする作品である。プログラムやコンテキストを解くことでその存在理由を見出そうとする建築ではない。むしろこの建築を解こうとすることで、プログラムやコンテキストが発展していくような作品である。このような建築の力を作者は「予感」と名付けている。これは機能と形態の関係性の新たなフェーズとなり得る概念である。作者の建築の根本を問う姿勢に金賞を授けるものである。
(文責:久野 浩志)

金賞・白戸 採希君
  函館山の自然、歴史を見直し、観光地の展望台にとどまらない魅力を提案した作品である。展望台と山頂や砲台跡の戦争遺構などを結ぶ尾根筋に、施設をつなぐ通路と壁を設け、展示施設やアーティストレジデンス等各種の施設を埋め込んでいる。見えないものや忘れられた価値を探り、360度の眺望という魅力を活かすなど地形と壁の連続性などは、これまでの函館山とは異なる魅力がこの作品の力となっている。各施設のデザイン要素の統一は、作品に力を与える一方で、本作品のテーマである刻の一部になる時系列の変化してゆくことへの提案がみられるとより提案に深みが増したであろう。
 本提案は、函館山への提案にとどまらず、観光地への普遍的な提案である。その高い視点と完成度に金賞を授けるものである。
(文責:齋藤 文彦)

銅賞・伊阪  遼君
  作者が人間関係において見出した仮定を、都市スケールに展開しようとする挑戦的な作品である。「人は互いの「隙」によって親密で優しくなれる。効率や合理性に支配されつつある都市において、人の「隙」にあたる都市の「隙間」を護れないか?」との「問」から作品が始まる。グリッド都市札幌の一街区の中心に「楔」を打ち込むことで中通りなどの「隙間」を定着させる。「楔」は垂直動線やインフラ、構造体となり周囲の既存建築を支え、街区更新時にはその基点となり、都市の多様性や受容力を担保していく。「楔」の形態や機能、構造などさらに検討を進めることでより良い作品になると感じる。以上を総合的に判断して銅賞にふさわしい作品であると判断した。
(文責:小倉 寛征)

短大・高専・専門学校の部
金賞・中村 悠佑君
江差の海沿に建つ市場は美しい描写でストーリーが展開された計画となった。
街の歴史と各町内会の象徴を建築に転写し、見事な建築に仕上がった。
伝承も忘れないが、100年後の未来の時間までもデザインされている。
観光も職場環境、物流に至るまで徹底的に考え抜かれている。これも建築の力で、故郷を何とかしたい。という強い意思でもある。
建築に携わる、自分も含めて全ての人は社会に対して貢献する姿勢を忘れてはならない。そう考えさせられる作品である。
(文責:中山 眞琴)
銀賞・増田悠一郎君
釧路の学生寮の提案である。既存の学生寮の事情と学生寮の本格的意義である共同生活による人間としての成長のあり方をハニカム形状の構造に着目し検討・計画された。
ハニカムの特性を工夫し、主構造であるコンクリートの水平床の上に3層のハニカムユニットが組み込まれた提案は、サイズを含め寮としてユニークで独自性を感じる内容である。平面・垂直方向にもハニカム展開され光が溢れるファサードに新しい創造性を感じるものとなっており、提案と新しい創造力に銀賞を授けるものである。
(文責:遠藤 謙一良)

銀賞・代表者 四ッ屋卓身君
  Diversity=多様性を重層的に解釈した作品。交通の利便性から様々な地域から人が集まる多様性。緑、花、川など自然の要素の多様性。計画地である恵庭市の持つ多様性を生かし、滞在型ファームスクールを提案している。計画の背景として、恵庭市の置かれている状況、課題を分析、恵庭市の魅力を分析し、人をつなぎ、人と自然を結びつける提案として結実している。内部空間においても、人のつながりを感じさせる空間を中心に構成されており、全体計画から建築計画まで、一貫したコンセプトでつくられている。造形や建築空間としてもう少し魅力が欲しかった点、表現としてわかりづらかった点など改善すべき内容はあるが、建築を生み出すためのひたむきなプロセスを評価したい。 
(文責:菅原 秀見)

◆ 工業高校の部

金賞・奥村 玲菜君
  旭山動物園に計画した休憩所、南北アメリカ大陸の動物展示施設、カフェの複合施設の提案である。休憩所や資料室の少なさや、動物を見ながら食事のできるの必要性など、現地で感じたことが提案の源であることが提案の強さにつながっている。2階から見下ろすカフェは、動物園ならではの場所として魅力がある。また、資料室も多くの人の目に触れるよう2階に配置するなどの工夫がみられる。
 紙面構成や色合いなども提案にふさわしいものとなっており、高校の部の金賞を授けるものである。
(文責:齋藤 文彦)
銀賞・佐々木灯里君,谷本 璃空君
歴史ある名寄駅の現状の問題点を考え、市民がより多く集まる為のリノベーションの提案である。
計画は名寄駅とその周辺環境を見直すことで駅にレストラン・本屋と様々な機能を加えまた、エスカレーターなどでバリアフリー機能性を高め、子供から老人までが利用できるユニバーサルな視点でバランスよくまとまっている。より具体的な空間の提案・表現がある事でより提案が明確になったかと思う。
再生という視点と計画の完成度に銀賞を授けるものである。 
(文責:遠藤 謙一良)
銅賞・横内 美紀君
  函館、湯の川に計画した「道の駅」である。函館の建築の歴史を参考に和洋折衷のデザインを試みるとともに、足湯やイートインコーナーなど現代のニーズにあわせた機能を設けるなど、幅広い視点で設計された優しい建築となっている。丁寧に書き込まれ、水彩で仕上げられた手書きの図面やパースからは、作者の作品への情熱を強く感じ取ることができた。以上の点から、銅賞にふさわしい作品であると判断した。
(文責:小倉 寛征)

2017年度卒業設計優秀作品

◆ 大学の部 (応募作品数:13点)
・金賞  佐藤 優太君:北海学園大学工学部建築学科
   作品名 ― 六冬の群像ー市庁舎の境界を解くー
・銀賞  桐谷 あやの君:東海大学国際文化学部デザイン文化学科
   作品名 ― たたむ  何も引かない、未来だけ足す
・銅賞  八木  悠君:北海学園大学工学部建築学科
   作品名 ― ーそして「  」は彼らを想うー

◆ 短大・高専・専門学校の部 (応募作品数:3点)
・金賞  ランディ ハントロ君:釧路工業高等専門学校建築学科
   作品名 ― Scenery of Wordsー釧路国際旅客船ターミナルー
・金賞  中山ゆかり君:北海道芸術デザイン専門学校建築デザイン学科
   作品名 ― 湧水交差点
・銀賞  炭田あすみ君:北海道芸術デザイン専門学校建築デザイン学科
   作品名 ― 纏う

◆ 工業高校の部 (応募作品数:8点)
・金賞  鈴木 志穂君:北海道名寄産業高等学校建築システム科
中矢 共起君:北海道名寄産業高等学校建築システム科
渡辺 和樹君:北海道名寄産業高等学校建築システム科
   作品名 ― 名よせの足あと
・銀賞  館山真理奈君:北海道函館工業高等学校建築科
   作品名 ― 「函館銀座通り」の再生計画~甦る大正ロマン~
・銅賞  折尾  渉君:北海道旭川工業高等学校建築科
   作品名 ― 旭川市役所新総合庁舎案

審査講評

大学の部

金賞・佐藤 優太君
  この作品は昨今話題になっている旭川市庁舎の建替え問題に着目し、周辺に分散している現状の市役所機能の統合と市民の場をつくるために歴史的価値のある現庁舎を再生利用し、また問題となっている耐震補強をおこなう提案である。
 新しく増床を行っているがその手法はあくまでも低層棟の水平性と高層棟の垂直性のデザインボキャブラリーを守りながら構築され、現在の問題を解消するものである。これは現庁舎への敬意と作品価値を見極めた結果であり、社会的意義と未来への街の財産をも視野に熟察されている。
 旭川の歴史的スカイラインを守る姿勢と提案は金賞に相応しく現実みさえ感じさせる。
(文責:小西 彦仁)

銀賞・桐谷 あやの君
  この作品は過去と現在と未来をつなぐ、実に重要な手法の街づくり再生構法である。
スクラップ&ビルドの日本社会に一つの光ある方向性を示唆している。
具体的でもあり、現実的で、未来的でもある。
過去から現在までの継承や歴史も建築の素材になっており、なんとも明解である。
綿密な調査から得た確実性もこの作品をより強固なものにしている。
プレゼンテーション力が少々欠けていたため銀賞になったが、充分金賞の内容を孕んでいる。
(文責:中山 眞琴)

銅賞・八木  悠君
  人の終りを火葬と考え、身寄りのない孤独死した者を弔う為の空間、火葬場の提案である。
多くの火葬場は、故人の親族や友人関係者が故人を送る事を前提につくられており、その空間は送る人が主体となった計画になっている。
孤独死した方は、送る人がいない為、火葬の空間は、それを執り行う人が主体となった利便的計画となる。
本計画は孤独死した人全てが、尊厳を持って死を迎え送られる為の空間であり、その空間の主体は、孤独死した当人であり、執り行う職員でありまれに訪れる人々である。
人が不在であっても孤独死した人が尊厳ある死の瞬間を迎える為につくられた建築は大地に確かな痕跡を刻み、敷地 の環境や海や空の世界と空間が繋がり、融合しながらやがて火葬の空間で光に満ちた無限の世界に昇天する。
人間が自然の一部である事をシンプルに強く痛感する本質的な、テーマに向かった創造力は、優れており銅賞に値する。
(文責:遠藤 謙一良)

短大・高専・専門学校の部
金賞・ランディ ハントロ君
  人口減少に悩む釧路の観光の起爆剤となることを目指した大型旅客船ターミナルの計画である。用意される無数の風船がターミナル屋上から噴き出る歓迎イベントや小さなクルーザーへの乗り換えの仕組みなど、わくわくする提案が楽しい。自由曲面によるその造形やターミナルに新たな風景をもたらすこと自体は、既視感はあるものの、それらを一つの提案にまとめ上げた力量は、見事であり、金賞を授けるものである。
(文責:齋藤 文彦)
金賞・中山ゆかり君
 「水」と「ひと」の関わりをテーマとした提案である。
豊かな水に人が集まり、コミュニティーが形成され、産業が栄えた。その地域が今、衰退の時期を迎えている。建築の力で新たな魅力を生み出せないかとの作者の素直な思いが感じ取れる。
建築のプログラムは、旭川市東旭川町において、大雪山の湧水を拠り所とした、自然と共生した交流の場である。訪れる人は、田園の中に点在する湧水小屋を巡り、丘のようなドーム状の建築にたどり着く。その内部には湧水を利用した酒蔵、湧水小屋、会所、ワークショップ広場など、「水」と「ひと」の関わりから生まれる活動や機能が広がる。このドームはアーチ状のコールテン鋼により支えられるており、一部は煙突やトップライト、換気口の機能を果たすなど、意匠と機能、両面への配慮が感じ取れる。
地域への思いに溢れたテーマであること、作者の感性が、空間造形、プレゼンテーションともによく表現されていることより金賞がふさわしいと考えた。
(文責:小倉 寛征)

銀賞・炭田あすみ君
  マフラーを纏うイメージから緑豊かな公園の木々に纏うスカイデッキが連想されファンタジックな世界が展開されている。都市公園にアーティストが住まう空間をつくり、まちづくりのきっかけを生み出す提案である。7階のレベルでそれぞれの建築をつなぐデッキが交流を生み出す装置になるかどうか疑問もあるが、樹木を身近に感じるための日常的ではない高さのデッキ空間は雲の上を想起させる魅力を持っている。表現手法も設計主旨を的確に表現する力量を持っており、銀賞に値すると評価した。
(文責:菅原 秀見)

◆ 工業高校の部

金賞・鈴木 志穂君,中矢 共起君, 渡辺 和樹君
  滅びゆく街や商店街、ここ名寄に限ったことではない。全国、いや、全世界に拡散している。
経済という名の大型商業施設が旧街をのみこむ。
しかしそれは、個商店主達の怠慢が手伝った事も確かだ。
しかしどうだろう、大型店の並ぶ街にどれだけの人々が魅力を感じていることか。
この作品は人と人との関係性をデザインしている。
街をなんとかしたいという一途な強い気持ちが前面に表れている。
清々しいこの作品に、なぜか涙が出た。
昔はこうだった、こんなこともした、思い出がよみがえる。
スクリーンだけでなく、もっと細部にまでその気持ちが深く浸透している。
(文責:中山 眞琴)
銀賞・館山真理奈君
  大正時代から「函館銀座通り」は3階建の様々な洋風なデザインの建築でつくられ一大繁華街で賑わった。
本計画は、その後変わっていった街並をかつての洋風イメージとして再生し、路面の1階は現代に相応しい店舗に、2階以上を住居の職住一体とし、また家具備品は当時を想定したデザインを手掛ける事で、単に街並のファサードだけではなく人々が楽しめる生きた計画となっている。
成熟した時代の中で、街の再生においてその街の歴史を振り返る事は大切な視点であり、本計画は地域の固有性を創造する優れた内容でここに銀賞を贈る。
(文責:遠藤 謙一良)
銅賞・折尾  渉君
  大学の部でも題材となっていた旭川市役所庁舎の計画であり、こちらは、新築案となっている。庁舎建築は、市民のための施設でありながら効率的なオフィス空間が求められる2面性を有することとなる。本提案では、地下1階、地上8階建の計画とし、中央に小さいながらも吹抜けを設けることで、機能的で新しい庁舎を提案している。本計画は、大きな施設に挑んだものであり、高校生の提案として高く評価された。よって、銅賞を授けるものである。
(文責:齋藤 文彦)

2016年卒業設計優秀作品集

◆ 大学の部 (応募作品数:13点)
・金賞  河中宗一朗君:北海学園大学工学部建築学科
   作品名 ― 湖水の景
・銀賞  南  嗣美君:北海道科学大学空間創造部建築学科
   作品名 ― 国立国会図書館
・銅賞  青葉  桜君:北海道大学工学部環境社会工学科建築都市コース
   作品名 ― 中心紋
・銅賞  樫村 圭亮君:北海道大学工学部環境社会工学科建築都市コース
   作品名 ― 残沼の址

◆ 短大・高専・専門学校の部 (応募作品数:5点)
・金賞  佐藤 夏菜君:北海道芸術デザイン専門学校建築デザイン学科
   作品名 ― Time axes~時間軸がおりなすストーリー~
・銀賞  千葉 優弥君:釧路工業高等専門学校建築学科
   作品名 ― ホームレスによるホームレスのためのホームレス住宅
・銅賞  菊地 留花君:釧路工業高等専門学校建築学科
   作品名 ― こどものむら

◆ 工業高校の部 (応募作品数:6点)
・金賞  目黒 海都君:北海道名寄産業高等学校建築システム科
     阿部 悠佑君:北海道名寄産業高等学校建築システム科
   作品名 ― 立ち上がれ 名寄二條市場
・銀賞  山内 翔馬君:北海道旭川工業高等学校建築科
   作品名 ― 北彩都美術館
・銅賞  黒川 沙彩君:北海道函館工業高等学校建築科
   作品名 ― 函館和洋亭

(3)審査講評

◆ 大学の部

金賞・河中 宗一朗君
  人工的に出来たダム湖の自然体である水に人工物である建築を存在させ、人口的な水位によって自然と変位する建築の姿が出現する。
幾重にも人工と自然のフィルターが錯綜し融解する美しい作品である。
現実的でないファシリティーや建築的バランスを除き、ほぼ完璧な作品と言える。
情景的なこの作品は、人工と自然との境界線を問題提起した作品と私は捉えた。
(文責:中山 眞琴)
銀賞・南  嗣美君
  二元対比の原理はこの地球上では必然とも言える。この世の中の全てがこれで成り立っているといっても過言ではない。
この設計は垂直と水平の二元により空間化したものであり、それを図書による書架(垂直)と床(水平)で構成していく。一年間に図書受入された本の数を12等分に分け塔状に積層する、それを100年分100塔(棟)になると次の郡に分ける。毎年の蔵書量には増減がありそれが建築の塔の高さを変え、さらに12等分され階高も変化する。
規律的建築要素が不規律になり隣立する塔の変化は生物的で敷地である原始林の森に新たな風景を弛まずつくり続けることだろう、そして自然と建築の二元対比がより互いを際立たせる端整で美しい作品である。さらに建築が増殖していくときの原始林との関係を解いてほしかった。 
(文責:小西 彦仁)

銅賞・青葉  桜君
  札幌中心部、グリッド街区の内側となる空間を周辺の既存建築の柱、梁の構造を延長するように空間化し、そこに作者の定義する新たな劇場を挿入する提案である。グリッド街区のもつ良さを活かしながら、新しい空間と機能を付加して行く、ある意味都市のリノベーションとも捉えられる作品である。
グリッド街区の裏であった内側が都市の表となる。表と裏が「反転」された街区の影響は、その内部から外部へ、さらには周辺街区へと波紋のように広がり、日常と非日常の境界を曖昧なものにして行く。都市の現状、既存のビルディングタイプに飽き足らない作者の強い思いが感じられる提案である。
しかし、限られた枚数のプレゼンテーションからはその空間の魅力が読み取り難く、また劇場の定義や活動イメージが十分に説明出来ていないのが残念である。
以上を考慮し銅賞にふさわしい作品であると判断した。
(文責:小倉 征寛)

銅賞・樫村 圭亮君
  かつて日本最大であった石狩湿地に存在した親子沼が、農業開拓により50年位の中で消滅しつつある。
この計画はかつての沼の環境再生を目指し、敷地の水脈を観察し、土木技術による止水を行い長い時間の中で自然の再生と生態を体感できる場所の計画である。長い時間の中で自然の再生と生態を体感できる施設は木フレームや床、壁、開口、屋根とプリミティブに慎重に構成される事でより明確に自然を感じられる。長い時間の中で施設は自然の再生と共に水の中に消滅し、かつての風景が建築の力で再生する自然科学の大きな視点から建築に結びついた想像力を高く評価したい。
(文責:遠藤 謙一良)

◆ 短大・高専・専門学校の部

金賞・佐藤 夏菜君
  根室市の市街地に建つこどもと老人のための施設である。既存の中学校に隣接して計画され幅広い世代の交流を意図している。建築は一つ屋根の下にスケールの小さい壁によりアクティビティの場を与えられ、廊下のない有機的に連続する空間が魅力的である。多世代交流は新鮮なテーマではないが、アクティビティについて具体的に考察され提案されているところが建築に命を吹き込んでいる。隣接する中学校との関係についてもう1歩踏み込んでほしかったが、金賞に値する魅力のある作品であると評価した。
(文責:菅原 秀見)
銀賞・千葉 優弥君
  社会と距離を置くホームレスに社会復帰のきっかけとなる居場所を提案した作品である。木と段ボールなどの材料を自らが選択し、居場所を建設し、生活する空間である。ここでの生活は、社会復帰へのきっかけとなり、次の利用者に引き継がれる。支援する仕組み(NPO)が必要ではあるが、その発想は、社会資本としてではなく建築をフローとすることで成立している。自由ではあるが、その共通のインフラをシステムの成立の条件としている。その密度については、議論の余地があるかもしれないが、可変な建築空間とまとめ上げた点で優れており、銀賞に相応しいと判断されたものである
(文責:齋藤 文彦)

銅賞・菊地 留花君
  こどもの世界にどっぷりと浸った時に、こんなファンタジーな建築の世界が描かれるのだろう。
時間割もきっちりと考えられていてとても楽しそうだ。
建築というよりアイディアの方に票が集まった。
残念だったのは広場の使い方や形や配置方法が明記されていないので、「 なんとなく 」感が拭えなかった。
図面表現やデザインは、本当にこども達のためを思った強い意志が十分に伝わった楽しい作品と言える。
(文責:中山 眞琴)

◆ 工業高校の部

金賞・目黒 海都君,阿部 悠佑君
  名寄への「思い」と「情熱」が強く感じられる作品である。
関係者への丁寧なヒアリングから賑わいを失った市場の抱える課題を発見し解決のための方針を提示。現地調査により既存建築の良さを損なわずに賑わいを取り戻すリノベーション案を提案している。
在来木造の構造補強やデザインコードの踏襲により、提案された建築空間に奇抜さや派手さはない。しかし、それがかえって地方都市のおかれたリアルな姿に寄り添う建築だと感じられる。既存の建築が持つ制約を見事に新たな空間の魅力に繋げた作品だと言える。
一見すると魅力がなくなった都市ストックの中に新たな可能性を見出すこと。それを積極的に活用してゆく姿勢に地方都市の希望を見た気がする。
 (文責:小倉 寛征)


銀賞・山内 翔馬君
  旭川駅周辺の再開発地区に計画された美術館である。市の中心部でアクセスの良さを考え一般市民はじめ高齢者や子供そして観光客の利用には最適な場所である。
空間は天井高さの変化やスキップフロアー等の操作により変化にとぶ、そしておおらかな空間が予想される。その構成は外部の形態にも影響を与え、凹凸の多い外観は来館者の空間への期待を増幅させるだろう。アプローチの街灯や建物を一部池に乗せるなど更に建築を際立たせる操作は効果的である。これからの作者の将来が楽しみな秀作であった。
(文責:小西 彦仁)


銅賞・黒川 沙彩君
  函館の歴史的建築物を利用し、旅館として再生する計画である。
外観を生かし、客室内部も和洋室がさまざまな形で構成され、統一された景観に変化のある空間を組み合わせたプランは施設全体の魅力を高めている。
函館の街並形成で最も大切な歴史的建築物を時代が求める用途に変更し、外観を極力保存する事は、豊かで魅力あるこれからの街づくりにとって、最も大切な事の1つであり、施設と街が共に良くなる視点と計画を評価したい。
(文責:遠藤 謙一良)