都市・建築の安全性評価研究委員会

研究期間
2003.4~2005.3

都市や建築は人々の生活の基盤を支える重要な役割を担っている。高齢化社会へ向かいつつある今日、安全で快適な都市・建築環境が望まれている。住宅において、心疾患および脳血管疾患の発症は浴室およびトイレ内で多くみられ、その数は冬期に顕著となっているといわれている。しかし、その実態は明らかとなっておらず、住宅の室内環境や住宅を取り巻く外部環境と疾病やけがの発症の関係が明確になっているとはいえない。
本研究では、自治体が保有する救急搬送データの記録を入手・分析し、都市や建築に関わる傷病の発生個所、発生時期・時間、その種類、容態の程度などを調査分析し、傷病の発生と住環境の関係を明らかにする。また、これらの結果を用い、安全と健康を配慮した都市・建築の環境計画の提案を目的に実施する。具体的内容を下記に示す。

1) 北海道主要都市の担当者と協議し、救急搬送データを収集し、各自治体のデータ構造を比較する。
2) 救急搬送データを入手した地域の外気温度、天候などの気象データを収集する。
3) 疾患およびけがの発生状況を分析し、気象条件、季節、時間帯、場所など、その因果関係を明確にする。
4) 建築における室温分布の形成要因を明らかにする。
5) 上記の分析結果を基に、都市・建築の環境改善に向けた提案を行う。

研究委員名
主査 羽山 広文 北海道大学大学院工学研究科
委員 絵内 正道 北海道大学大学院工学研究科
委員 野口孝博 北海道大学大学院工学研究科
委員 森 太郎 北海道大学大学院工学研究科
委員 長谷川雅浩 北海道立北方建築総合研究所
委員 田村 佳愛 北海道立北方建築総合研究所

AIJ Hokkaido Branch