積雪地昼光利用研究委員会

設置期間
2002年4月~2004年3月

委員会の設置目的
北海道における昼光利用について、積雪障害防止、積雪面反射光の活用を考慮しつつ、積雪寒冷地独自の昼光照明システムの開発に資するため、以下の検討を行なった。

1)国内外の現代建築における昼光照明事例の文献調査を行ない、現在の昼光利用システムの特徴を明らかにするとともに、建物の開口部の形態を類型化した。
2)積雪時と無雪時における室内の光量の測定から、積雪面反射光活用の有効性を明らかにした。また、1)で類型化した昼光利用システムの代表的な開口部について、模型実験により採光性能把 握のための検討を行なった。
3)積雪地を想定し、窓形態の違いが室内の光環境(水平面照度)と在室者の主観による家具配置に与える影響を被験者実験から明らかにした。
4)積雪面反射による室内導入光の色温度への影響を屋外における実測から検討した。
5)窓からの採光が室内光環境の与える影響、昼光利用の基礎概念を簡易に学習するための、学生向け照度分布シミュレーションソフトを開発した。
6)上記1)~3)で得られた知見に基づき、住宅を想定した昼光照明(積雪光利用を含む)システムの提案を行なった。

研究発表(成果の公表)
・窓の形態が家具配置に与える影響に関する研究, 宮川紅子・斉藤雅也・那須聖, 日本建築学会北海道支部研究報告集 (76), 309-312, 2003.6。
・積雪地の昼光照明手法に関する研究報告, 斉藤雅也・中野萌音・那須聖・北谷幸恵・鈴木大隆・森太郎・丹保洋人・加藤誠, 日本建築学会北海道支部研究報告集 (77), 435-440, 2004-07-03
・Luminous Performance of Ji-mado as a Daylighting System in Snowy Region, Masaya SAITO and Satoshi NASU, Proceeding of the 2005 World Sustainable Building Conference , 2005.9, pp.1067-1072.

構成メンバー(所属:委員会設置当時)
主査 斉藤 雅也 札幌市立高等専門学校(コーネル大学)
幹事 北谷 幸恵 北海道立北方建築総合研究所
委員 鈴木 大隆 北海道立北方建築総合研究所
委員 丹保 洋人 ㈱北海道日建設計
委員 那須 聖 札幌市立高等専門学校
委員 森 太郎 釧路工業高等専門学校
協力 宮川 紅子 札幌市立高等専門学校
協力 中野 萌音 札幌市立高等専門学校
協力 加藤 誠 一級建築士事務所 ㈱アトリエブンク
作成(主査:斉藤 雅也)

AIJ Hokkaido Branch