建築鉄骨技術教育研究委員会

概要
2001年度より研究期間を2年間として、工業高校・高専の在学生・卒業生の鉄骨技術教育を研究対象とした建築鉄骨技術教育研究委員会がスタートします。地震災害のたび指摘されている建築鉄骨のエンジニアリングの不備は、建築鉄骨の生産システムに問題が内在していると考えらます。本委員会では、低層の建築鉄骨の過去の震害も踏まえた問題点の整理と道内の工業高校・高専のカリキュラムの実態を把握し、下記の項目に関する提案を行うことを目的としています。

1)積雪寒冷に伴う工作・溶接・現場施工技術を含む基本技術の教育方法
2)分業間の技術的連続性と品質管理に関する共通認識保有のための支援方法

本委員会では、上記1)、2)を意図した教本の内容程度は提案したいと考えています。
対象を工業高校・高専の在学生・卒業生としている理由は下記のものです。

1)建築鉄骨の90%強は低層建築(5階建て以下)で、この建設の分野は、大学卒の技術者とほぼ同数の工業高校・高専を卒業した技術者によって支えられている。
2)工業高校・高専のカリキュラムに関する最近の調査結果では、構造に関する割合が大学に比べて低い実態がある。
3)大学・高専に関しては、(社)鋼材倶楽部による教育支援事業が2000年度から行われている。

2001年度の計画
今年度は、下記の項目についての研究を行うことを予定しています。

1.北海道の建築鉄骨に関係する技術者と設計者へのアンケート調査
●建築鉄骨にエンジニアリングの不備が生じる可能性を低減させるための模索
●高校、高専、(大学)における建築鉄骨の技術教育の内容と方法の検討
●北海道の特色ある鉄骨施工

2.北海道の鉄骨施工の実態調査
●冬期を含む工作・溶接・現場施工技術を含む基本技術に関する実態調査

委員名簿
本委員会は、今年度は下記の6名で構成されています。
主査 田沼 吉伸 北海道工業大学・建築学科教授
荻上 正紀 (社)日本溶接協会・札幌支部顧問
大塚 晶一 北栄興業(株)恵庭工場取締役工務部長
草苅 敏夫 釧路工業高専・建築学科助教授
豊山 孝雄 札幌工業高校・建築科長
向山 松秀 (株)石本建築事務所札幌支所副支所長

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